2016年1月25日月曜日

子供に物質以外、何を与えることができるのか?


表題の問いかけはシベリア杉シリーズ3『愛の空間』に出てきたものです。



シベリアタイガの森で暮らすアナスタシアは子育てを全て自然に任せています。子どもは熊と共に寝ているので寒いことはありません。おむつも必要ありません。ガラガラおもちゃやベビーフードも使うことはなさそうです。

一般人である父親は、自分の子供に何をしてあげれるのか?と悩みます。街からおもちゃを買ってきても、鷹や狼に守られながら遊んでいる子どもにとっては意味のないものに思えてしまいます。

母親は子どもを産み、母乳を上げることができます。

では父親は、何ができるのでしょうか?物質以外、何を与えることができるのでしょうか? 父親の役割とは何なのでしょうか?

どんな答えが導き出されるのか、これからの物語が楽しみです。


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私の父親は高度経済成長期に証券会社で働いていました。通勤時間は片道1,5時間。私が起きる前に出勤し、私が寝たあとに帰ってきておりました。

その代わり学校の休暇中は必ず家族旅行に行っておりました。月に一度は父の会社の近くで買物をし、レストランに行っておりました。ですので家族としての思い出はたくさんあります。

学校の成績はよかった方ですが、例え悪くてもいつもいいところを褒めてくれました。

10歳の誕生日に「これからは自分のことはできるだけ自分で決めなさい。」と言われ、それ以来、漢字の読み方を聞いても辞書を渡されるようになりました。突き放すというより、温かく見守ってもらっている感じでした。私が決めたことに対しては、その理由を聞きはしますが、その結論に至った過程も褒めてもらっていました。高校を決める時も大学を決める時も、会社を決める時も、フランス行きを決めた時も、そしてフランス人と結婚する時も。

本当に私の成長をひとつひとつ見守ってもらっていたと思います。今もそれは変わらないです。遠くから見守ってもらっています。(男性版アナスタシア?)


「父親像を見せる方法は他にもあったと思う。でも自分としてはその時その時で一番いい方法と信じたことをやって来た。それが良かったのか悪かったのか、そんなことはわからないけれど、後悔なんてしていない。」

ということを言われたことがあります。

学校や塾にもそれなりにお金をかけてもらいました。クラブ活動や衣食住も充分してもらいました。

私の父にしかできないやり方で見守ってもらっていることに、心より感謝しています。

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そして私は2人の娘の親になりました。

お金を稼ぐことだけに必死になり、次々に新しくなるケータイやパソコンの買い替えに怯えながら、経済的な愚痴を子どもの前でしてしまうこともありました。^^;

ですが、私は氣づきました。

子育ては、生活に必要な物質を整えたり与えたりすることが最重要事項ではない!と。

お金を稼ぐことはもちろん必要ですが、それだけではなく、私にしかできない方法で子どもたちと関わることを忘れてはいけないのです。


私は気づくのがちょっと遅かったのですが、この記事がどなたかのお役に立つことを願っています。

ありがとうございます。
感謝いたします。
(^_^)